マ・サガプリヤのスターサファイアエナジーワーク
こんにちは、Shantiです。 私が瞑想を本格的に始めるきっかけになった本があります。
アメリカ人セラピスト、サガプリヤの著書「マスターズタッチ」という本です。
2014年には、日本で開催された彼女のワークショップに参加し、さらに2016年にイタリアでのワークショップに参加してきました。
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サガプリヤと彼女のワークとは?
マ・サガプリヤは、イタリア在住のセラピストです。「サイキックマッサージ」「スターサファイアエナジーワーク」というセラピーの考案者であり、70年代からセラピストの養成を続けています。「瞑想」という不思議な世界を扱いながらもシャープで論理的なアプローチには定評があります。
エサレン研究所、サイキックマッサージ、OSHO
サガプリヤはアメリカに生まれ育ちました。大学では、哲学を学びましたが、セラピストになる前は、意外にも、音楽活動が関心の中心だったのだそうです。
その後、ごく自然な流れで、1970年、当時最先端のセラピーの中心地であったカリフォルニア州・ビッグサーの「エサレン研究所」(Esalen Institute)にたどり着きます。
そしてそのまま、マッサージセラピスト、またセラピーを教える教師になります。
このエサレン研究所で生まれた「エサレンマッサージ」は現在日本でも人気のあるマッサージです。
サガプリヤは、エサレン研究所での経験から、「サイキックマッサージ」を考案します。
その後、エサレンを離れますが、セラピスト、また「サイキックマッサージ」の教師として順調にキャリアを積んでいきます。
外面的には公私ともに成功し、充実した生活を送っていました。
しかし、彼女の人生に新しい次元がやってきます。「瞑想」です。 彼女は1977年にインドに渡り、悟りを開いたマスターOSHOの元で本格的に瞑想を始め、アメリカでの生活を後にすることになります。
そして「サイキックマッサージ」にも「瞑想」という新たな次元が加わることになるのです。
エネルギーからレゾナンスへ
サガプリヤの最初の本、「サイキックマッサージ」は、彼女が瞑想に出会う前に書かれました。
実は、日本では「マスターズタッチ」の方が先に出版され、邦訳が出版されたのは2012年です。
やがて、サイキックマッサージに瞑想というエッセンスが加わり、「マスターズタッチ」という本になります。
この2冊はどちらもサイキックマッサージというテクニックを取り扱っています。 しかし、「マスターズタッチ」で描かれるセッション、セラピーの世界観は、最初の本「サイキックマッサージ」と同じテクニックとは思えないくらい、深みを増しています。
最初の本「サイキックマッサージ」では、人間の体の中に眠る「エネルギー」と、その滞りとしての「エゴ」が大きなテーマになっていました。
しかし、「マスターズタッチ」の中では、さらに、人間の体の中には「エネルギー」でも「エゴ」でもなく、ただリラックスしている、空として開かれている部分「レゾナンス」がある、という概念が登場します。
「レゾナンス」は英語では「共鳴」といった意味です。
これは、セッションを受ける人の中にあるくつろいだ部分は、セッションを行う人のとの間で「共鳴」する、ということから来ています。
「エゴ」が生を流れなくする固さ、「エネルギー」が生を動かしていく力動とすれば、「レゾナンス」は生が流れるままに任せるキャパシティ、といった意味になります。
「エゴ」よりも「エネルギー」、さらに「エネルギー」よりも「レゾナンス」の方が上位の概念であり、人間のより深い成長の可能性ということになります。
エネルギーとレゾナンス
「レゾナンス」は、「くつろいでいる、物事が起こるままに、明け渡している」人同士に起こる共鳴です。
現代社会は「エネルギー」重視の社会であり、何かの目標を打ち立てて達成することが善とされます。
現代人は子供の頃から、学校生活の中などで、計画的に人生を送り、より高い目標を達成し、競争に勝つように促されています。
また、競争や未来のことを考えるのは、人間の思考や脳の仕組み上、とてもエキサイティングでもあります。
また、実は世の中でのいわゆる成功や競争への勝利を望まないスピリチュアル志向な人も、「精神的、内面的な変容を遂げたい」という願望を達成しようとしています。
この、「精神的、内面的な変容を遂げたい」という願望は、より外面的な成功に関する願望よりも強いケースが多いのです。
ですから、「エネルギー」ではなく「レゾナンス」を重視するということは、実は現代人の生き方を根本から問うものであり、アイデンティティを破壊することでもあります。
レゾナンスを知ること
私が初めてこの「レゾナンス」のことを知った時は、実はとてもショックでした。
当時はれはそれはスピリチュアルな変容に興味を持っていましたし、社会での成功もお金も異性も手に入れたい、そのために競争に勝たないといけないと思っていました。そしてそのために努力もしていました。
でも、その競争が全部私の人生に重くのしかかっていて、身動きが取れなくなっていたのです。
この人生の耐えられない重さは、ただ、私が「何かを成し遂げよう」と努力していたからなんて、それが無駄だなんて、私の人生は一体何だったんだろう??そしてこれからどうするの?何も計画しないで生きていけるの!?と、私のマインドは非常に混乱しました。
瞑想はくつろぎ、というのは簡単なのですが、現代社会においては非常にパンクな価値観になるわけです。
サイキックマッサージからスターサファイアへ
「スターサファイアエナジーワーク」は「サイキックマッサージ」というセラピーワークをさらに発展させ、この瞑想のエッセンスを加えたものです。
「サイキックマッサージ」は、その名前の通りマッサージを通じて人のエネルギーに働きかけます。
セッションを行う人は、「レゾナンス」、「エネルギー」「エゴ」をリーディングし、くつろぎがその人のボディに広がるように、愛と瞑想のスペースからマッサージしていきます。
それに対して、「スターサファイアエナジーワーク」は言葉でのコミュニケーションを中心にしたワークです。 この「スターサファイアエナジーワーク」に関する著書の英語版は、2016年に発売され、さらに日本語版も2017年に発売となりました。このワークに関する最新の知見が豊富な例とともに語られています。
同じく「レゾナンス」、「エネルギー」「エゴ」をリーディングしますが、そこからの働きかけ方は多彩です。
セッションを受ける人の状況に応じて、「何もしない」ことから、「過去生への退行」まで行われます。
宝石「サファイア」のうち、光を当てると星状に内部から輝きを放つものを「スターサファイア」と呼びます。
このワークの名前は、この宝石「スターサファイア」から来ています。
人の内面に隠れている輝きに光を当てるのが「スターサファイアエナジーワーク」の本質なのです。
スターサファイアのトレーニングでシェアされること
スターサファイアのトレーニング(パート1)でシェアされることで、サガプリヤのワークの中心になっているいくつかの概念を簡単に説明してみます。
レゾナンスを理解すること
スターサファイアのトレーニングは、この「レゾナンス」をいかに理解していくか、ということに一番重点が置かれている、と感じました。
「レゾナンス」が体で理解できなければ、このワークをシェアすることはできないからです。
レゾナンスのある在り方というのは、瞬間瞬間の可能性にただ開いていて、自分も、他者や外側の出来事も、一切プッシュすることをせず、ありのままに流れていくという在り方です。
瞑想、実技、デモセッションも行われますが、グループの流れは常にオープンであり、参加者はその中にコントロールなしで在ることが必要になります。
サイキックリーディング
サイキックマッサージとスターサファイアエナジーワークで共通するのが、「サイキックリーディング」という部分です。
サイキックリーディングというと非常に特殊なことのように思えますが、なぜか、ほとんどの参加者が困難さや戸惑いを感じつつも、それなりに「できて」しまいます。
サイキックリーディングの中で読み取られる情報には物理的な証拠はありません。しかし、リーディングの中に現実とのリンクがあったり、複数の人がリーディングの中で似たようなビジョンを見たりすることがしばしばあります。
そして、リーディングされる情報が科学的な「事実」であるか、ということよりも、「それがクライアントの助けになるのか」ということが重要なのです。
ラクダ、ライオン、子供
ラクダ、ライオン、子供、とは、人と人との関係の中にある力学です。
ラクダは他人の言うことを聞き、ただ耐えるあり方です。 ライオンは人の言うことにいちいち反対し、批判するあり方です。 子供は無垢な状態にとどまり、他人の欲望に無意識に反応せずに、瞬間瞬間に応答していくあり方です。 どういう状態がラクダ、ライオン、子供に該当するのか、参加者同士でエクササイズをしたり、ディスカッションすることで理解を深めていきます。
女性性と男性性
1人の人間の中に女性的な部分と男性的な部分がある、という考え方は、ニューエイジの世界でよく語られます。しかしその多くがぼんやりした言説に終わっているのも事実です。
サガプリヤの「スターサファイアエナジーワーク」では、右半身(特に右脚)に男性性の、逆側の左半身(特に左脚)に女性性のエネルギーやキャラクターが存在しているとしています。
そしてセッションギバーはそのエネルギーをリーディングしていきます。 時にその2つは恋人同士のような状態だったり、親子のような状態だったりします。あるいは片方は自分の殻に閉じこもっていて、片方だけがアクティブだったりということもあります。
理想的なのは、それぞれが自分のやりたいことをして、くつろいでいることです。例えばどちらかを片方が献身的に支えている、というのは一見美しいけれども、片方に負担がかかった状態です。両サイドが独立してやりたいことをしている方が良いのです。 この女性性と男性性の間に「ラクダ」「ライオン」のような力学が働いていることもあります。
コンシャスリビング
生活の全ての中に瞑想の質を持ち運ぶこと、一瞬一瞬起こる出来事に応答していく在り方、というのが「コンシャスリビング」、日本語で言うと、「意識的な生」という在り方です。「スターサファイアエナジーワーク」は、この「コンシャスリビング」が人生にもたらされることを目指すべきヴィジョンとしています。
私が感じたこと
今回のトレーニングで、印象に残ったことを書いてみます。
実は怖かったけど、行ってよかった
2014年の経験から、サガプリヤがとてもシャープな人であることは分かっていたので、グループ参加するのに大きなためらいがありました。
グループの中で瞑想し、ひたすら友人たちと交換セッションを続けるうち、自分一人で過ごしているだけでは見えなかったことがどんどん見えてきました。人生にくつろぎ、ありのままに流れていくキャパシティが広がったと思います。
サガプリヤのクリエイティビティ
サガプリヤの強みはクリエイティブであることだと感じました。 彼女のデモセッションは時に魔法のようで、それに目を惹かれがちでしたが、教えるのが上手、概念的な説明が上手、図を使うのも上手なのです。
質疑応答への応答も柔らかくもロジカルです。 彼女の説明を聞いていると、まるでコンサルタントのプレゼンテーションを見ているような感覚さえ覚えることもありました。
それでいて、実は彼女がどんなロジックよりも、目の前で起こっていることをを信頼しているのも面白かった点です。
また、呼吸や体の感覚を通じた瞑想をリードしたり、ダンスをする場面も多く、彼女が長い間ボディワーカーとして、根っから「肉体的」な一面を持っていることも印象的でした。 この多彩さこそが彼女から学ぶ醍醐味だと思います。
聖なる街アッシジ、そしてイタリアのあたたかさ
サガプリヤが長年ワークを分かち合ってきた会場、「Le Torracce Agriturismo Olistico」も素敵な場所でした。この施設は、聖フランチェスコで有名なアッシジの近くの山の中腹にあります。 セッションルームから見える景色は、日本の山ほど険しい感じもせず、昼には陽光が降り注ぎます。 グループの間、その自然の温かさと柔らかい神聖さにさりげないサポートを受け続けていたように思います。
グループの中間の休日には、近郊のペルージャ、アッシジなどに遊びに行く機会もありました。
アメリカからイタリアに移住したサガプリヤと、「イタリアでは、道行く人同士にちょっとした会話があったり、人の繋がりにどこか温かいものが通っていて、そのことが滋養になるよね…」という話もしました。
スピリチュアルな成長は禅の公案みたいなもの
グループが終わってからも、そのあとインドでしばらく瞑想してみたりしつつ、 学んだことを消化する日々は続いています。
今思うのは、受け取ったことは禅の公案みたいなものかな、ということ。
欲望や努力が落ちたらくつろぎや瞑想が起こる、「瞑想」という行為をしようと頑張ってしまうとくつろぐことはできない。 しかし、ただ怠惰でいることもなんだか違っていて、あれでもなく、これでもなく、と日々は過ぎていきます。
答えを見つけることじゃなくて、一瞬一瞬に問いがあって、答えがある、それが生きることなのかもなーと、感じたりしています。 私が終えたのはまだパート1。正直言って、この旅がパート2に、続いていくのか、まだちょっと見えてはいません。
日本でスターサファイアエナジーワーク・サイキックマッサージを学ぶには
日本では、石村まてぃ(東京)を中心に、このワークがシェアされています。
2017年には、サガプリヤが来日予定です。このトレーニングとは違った内容になりますが、ワークショップがスケジュールされています。