ポルトガル・リスボンでのノマドライフをシミュレーションしてみる
2016年5月と9月にポルトガルのリスボンに行ってきました。 両方とも10日ほどの滞在でしたが、南ヨーロッパならではのゆるい雰囲気、それでいて歴史を感じさせる重厚さ、どことなく感じられるアフリカやブラジル、アジアとのつながりはエキゾチックで素敵。 もっとじっくりゆっくり見てみたい国です。
機会があれば、のんびり長期滞在できたらいいなぁと思っています。 がっつり観光できていないんですが、ノマド滞在という視点でリスボンを考えてみました。
長い記事なので、めんどうな方は、まとめから読んでみてください。
このページの目次
- 1 ポルトガル・リスボンでのノマドライフをシミュレーションしてみる
- 2 リスボンでのノマドライフ難易度
- 3 ポルトガルってどんな国?
- 4 リスボンの規模のイメージ
- 5 ポルトガル・リスボンへのアクセス
- 6 リスボンの物価、治安、気候、清潔さ
- 7 宿泊場所・Wifi:リスボンは民泊ブーム
- 8 食事:リスボンには日本人好みの食事がある
- 9 リスボンでのビジネスチャンスは?
- 10 ポルトガルのビザ:シェンゲン圏内、180日中90日の滞在が可能、ワーホリも
- 11 ポルトガル滞在はその後のチャンスにつながるか?
- 12 ポルトガル・リスボンからはどことなく自由とヒッピーマインドが感じられる
- 13 リスボン生活のライフライン、お金とモバイル通信
- 14 まとめ:ポルトガル、リスボンでのノマドライフは楽しそう
- 15 おすすめ関連情報
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リスボンでのノマドライフ難易度
リスボンでのノマドライフに関わるポイントの難易度について、ざっくりした私の印象はこんな感じです。
- 日本からのアクセス △
- 物価 ○
- 治安 ◎
- 気候 ○
- 清潔さ ◎
- 国際度 ○
- 宿泊場所 ○
- インターネット ○
- 食事 ○
- 長期滞在ビザ △ (ただしワーキングホリデーが取れれば◎)
- ビジネスチャンス △
- その後の人生応用度 △
- ヒッピーマインド度 ◎
難易度は○。 留学やワーホリ以外は長期滞在ビザの取得がネックになりそう。ヨーロッパの割には物価は安く、それでいて快適に過ごせます。
とても安い値段で長期滞在できる東南アジアの都市のようにはいきませんが、自炊、民泊などを駆使すれば滞在費を抑えることができます。
ポルトガルってどんな国?
ポルトガルは92,210 km²ほどで、日本の1/4ほどの大きさの国です。総人口は東京都よりも少ない1030万人あまりです。
ユーロ通貨圏内ですが、EU圏内では経済的に不安定な国の一つです。2011年4月にはギリシャから飛び火した欧州経済危機を契機に「ポルトガル危機」と呼ばれる経済危機が発生、EUに金融支援を受けることになります。(その後2014年5月に金融支援プログラムを脱却しています)。
歴史的には、1974年まで、エスタド・ノヴォと呼ばれる独裁体制が続き、カーネーション革命という無血革命によって体制が崩壊しました。
ポルトガルは第二次世界大戦に積極的に参画しなかった国なのですが、他の国で は大戦とともに1940年代に終焉した植民地主義、独裁政権といった枠組みから抜け出すのが遅くなってしまったのです。
1975年にはマカオ以外の植民地を失い、特に石油・ダイヤモンド・金などの資源が豊富なアンゴラをが独立したのが痛手となりました。その後、現在に至るまで低い経済成長率が続いています。
GDP、主要産業などのデータがよくまとまっていますので、知りたい方は下記リンクからどうぞ。
ポルトガルと日本との関わり
現代の経済交流は、日本の貿易相手国としては輸出入ともにシェア0.2パーセント以下で、あまり関わりは深くありません。
ただし、ポルトガルといえばやっぱり、日本人全員が触れると言っても過言ではない「フランシスコ・ザビエル」や「鉄砲伝来」。日本とは16世紀から関係があります。
2017年にはポルトガル人宣教師の登場する映画「沈黙-サイレンス-」(遠藤周作の小説が原作)が公開されています。ポルトガルに足を運んだこともあって、私は劇場に観にいってみたのですが、暗くてつらい映画でした。ポルトガルは、日本の宗教的な集合無意識や、近代化に強く影響した国の一つと言えると思います。
リスボンの規模のイメージ
リスボンはポルトガルの首都。約55万人在住です。リスボン市とその周辺のリスボン圏にポルトガル総人口(1000万人あまり)の1/4が住んでいるそうです。
リスボン市は約100 km²、人口密度は5,500となります。日本で言えば大体大阪府堺市(5,590.73)、埼玉県さいたま市(5,865.48)くらいの密度。中堅の政令指定都市のような感じですね。
wikipediaの都市圏人口ランキングだと、リスボン市全都市圏の人口は、ハノイや台湾の高雄に近いようです。
ポルトガル・リスボンへのアクセス
2017年現在、日本からリスボンへの直行便はありません。私はトルコ航空やKLMでスペインまで行って、ちょっとスペイン滞在してから、ナショナルフラッグのTAPポルトガル航空で行くルートで出かけました。
今考えると、スペインから鉄道の旅にしても良かったかもと思います。ヨーロッパの鉄道は快適だし面白いですよ。チケットは「レイルヨーロッパ」で日本から予約しておくことができます。
スペインとポルトガルの電車が乗り放題のユーレイルセレクトパスがおすすめです。
ちなみにリスボンからヨーロッパ主要都市まで、フライトで2−3時間程度といったところ。LCCも充実しています。欧州を旅行する際のベースとして考えるのも良いと思います。
ポルトガルは日本人に人気がある?
日本人の渡航先としては38位。ヨーロッパ圏内だと14番目くらいでしょうか。 というわけで日本人は案外ポルトガルに行かないのですね。 日本からは直行便がないため、休暇の短い日本人には行きづらいところなのかもしれません。人とはちょっと違った旅行がしてみたい、世界のいろんな場所を見てみたいという人にはちょうど良いと思います。
リスボンの物価、治安、気候、清潔さ
ポルトガルは西部ヨーロッパでは物価が安い国の一つです。 スーパーマーケットに行くと食べ物や野菜は他のユーロ圏に比べて割安なので、自炊をすればあんまりお金をかけずに生活できそうです。
旅行者の間では「ポルトガルは台湾くらいの物価」という説もあります。先般台湾に行ってきたのですが、感触的には近いと思います。下記の英語のサイトがよくまとまっています。
治安も比較的良い方です。 ただし、治安情報は出発前に外務省のオフィシャルでチェックしておきましょう。
気候については、ABロードのリスボンの気候のページが参考になります。ツアーもたくさん案内があります。
気候は東京よりも温暖。ただし、晩秋ー冬は結構冷え込むのに、基本ヒーティングシステムがないんですよね。滞在は温暖な時期が一番、寒い時期に滞在する場合は注意が必要です。
残念ながら室温が低いお国といえば日本も同じ状況ですが、日本は大体エアコン完備なのに、リスボンで私が滞在したお部屋では据付のエアコンがありませんでした。
リスボン市街の清潔さはエリアにもよりますが、日本ほどではないにせよ、それなりに清掃が行き届いているし、街の雰囲気はエキゾチック&フォトジェニック。
長期滞在する場合、アジア系の外見だとものすごく目立つ街はあまり居心地が良くないですし、かといって異常にアジア系観光客に慣れきったあしらいをされる街、というのもあまり面白くないですよね。
というわけで国際度も気になりますが、リスボンの観光客はヨーロッパ圏内の人が多く(特にお隣スペイン)、アジア系観光客はイタリア・ローマやスペイン・マドリッドに比べると少ないです。ただ、アフリカ、ブラジルからの移民が多いため、街全体に国際色豊かな雰囲気はあります。
宿泊場所・Wifi:リスボンは民泊ブーム
ノマド生活で重視したいのはやはり住環境。リスボンではAirbnbが充実しています。
ヨーロッパ、ユーロ圏ではギリシャに次いで経済的に苦戦していると言われるポルトガル。 リスボン市民にとってはAirBnBやBooking.com などの”民泊”は大切なビジネスチャンスであるようで、結構物件があります。民泊をうまく活用できれば、リラックスして長期滞在できますね。
私が滞在していたのは世界遺産セントジェロニモ大聖堂、”世界一美味しいエッグタルト”として名高いPastéis de BelémのあるBelem(ベレン)地区でした。
Pastel de Nata(エッグタルト)を求めて並ぶ行列。
このBelem地区は、2016年9月に訪れた際はあちらこちらで改装工事をしており、地元の人によれば、民泊向けにリノベーションしているということでした。元々、別荘としてお部屋を持っている人が多いそう。自分が使わない時間は、民泊として貸し出してビジネスをしようというわけです。
私の滞在していた先もこうした”民泊”のフラットで、かなり快適に過ごすことができました。滞在中、インターネットはなかなかの高速回線だったのが印象的で、ノマドワークもそこそこ快適にこなせそうな感じでした。
リスボンのカフェではWifiが使える場所も多くあります。お気に入りのカフェをいくつか見つけたら、ノマドワークの時間も楽しく過ごせそうです。
食事:リスボンには日本人好みの食事がある
シーフード&お米の文化なんですよね。そして、地元で消費されるのであまり日本に入ってくることはありませんが、チーズ、ワインも美味しいんです。
こういう見ているだけで痛風を発症しそうなシーフードの食事もビールやワイン込みで20-30ユーロくらい〜で食べられます。 日本は先進国の中では決して外食費の高い国ではないのですが、だいたい日本の2/3〜1/2という感じでしょうか。
英語の通じないような、ローカルの人の行くレストランだと、8-10ユーロで結構満足感のあるランチが食べられます。ローカルなメニューは焼き魚やフリッター、ステーキやトマトリゾットといった感じ。
リスボンでのビジネスチャンスは?
iD誌の製作したドキュメンタリー”Relocate” ロンドン在住のDJがジェントリフィケーションの進むロンドンから移住先を探すというシリーズです。WEBメディアLifehackerに登場しました。
Lifehackerでは、ライプツィヒ編を中心とした言及となっていますが、リスボン編もなかなか印象深いです。
プレゼンターNabihahのお友達でアパレルのWEB販売している子が移住しています。彼女によると、「ポルトガルでは仕事や経済がネックになってくるので、経済的な基盤を持っていることが重要」とのこと。
もともと仕事や貯金がある人が移住するのは、ヨーロッパの他の都市よりも経費がかからなくて良いけれども、新しくポルトガルの人たちを相手にビジネスを始めるのには難しさがあるのかもしれません。
ポルトガルのビザ:シェンゲン圏内、180日中90日の滞在が可能、ワーホリも
ポルトガルは「シェンゲン圏内」の国です。 シェンゲン圏内の国には、日本のパスポートでは「あらゆる180日の間で90日の滞在が可能」というルールが適用されます。 ポルトガル1か国だけでなく、シェンゲン圏内のあらゆる国での滞在に対してこのルールが適用されます。 特にヨーロッパを周遊する場合、シェンゲン圏内での合計滞在日数に十分注意するようにしましょう。
2015年からワーキングホリデーも始まったそうです。30歳までの若者はチャレンジしてみるのもアリだと思います。
ポルトガル滞在はその後のチャンスにつながるか?
ポルトガルの滞在で身につく(と思われる)ポルトガル語は、ブラジル、アンゴラ、モザンビークでも話されています。 全世界で2億人以上のネイティブスピーカーを擁しています。
ポルトガルのポルトガル語は難易度が高いとも言われます。ただし、より汎用性が高くてシンプルなスペイン語や英語よりも汎用性が低いでしょう。
とはいえ、在日のブラジル人も数多くいる日本。ポルトガル語が話せることで生まれるチャンスもあると思います。
ポルトガル・リスボンからはどことなく自由とヒッピーマインドが感じられる
ポルトガルは、物価が安くてのんびりしていて、ヨーロッパの他地域の人が移住したり、別荘を持ったりする国としても時々見聞きします。リスボンは重厚感があって、アフリカやアラブの影響、どことなく享楽的な街並み、どこか懐かしいような、新しいような不思議なところです。
フェスティバル「Boom」、そして「Rainbow Gathering」
個人的に気になるのは、ヨーロッパ最大のサイケデリックフェスの一つ、BOOM。若くて体力があるうちにハンガリーのOZORAとこの「BOOM」には足を運んでみたかったなぁと思います。音楽が好きな人、自由を感じたい人は是非。
2016年には太っ腹にも日本人オーディエンス500人を招待してくれたそうで、SNSやブログで感想を散見しては羨ましく思ってました。
ヒッピーな人々の集い、Rainbow Gatheringも頻繁に開催されているみたいです。
私の旅の原点はゴアなので、どうしても自由の匂いのする場所が好きなのです。
スピリチュアル好きな人はMoojiのサットサンに行ってみよう
ポルトガルには、リシケシの記事で書いたスピリチュアルマスターMoojiの拠点「Monte Sahaja」があって、瞑想リトリートなどが開かれています。
リスボン生活のライフライン、お金とモバイル通信
次に、リスボンでのお金(ユーロ)の入手法とモバイル通信について。
SIMカードはリスボン空港で入手できた(2016年9月)。日本から手配しておくと楽
とりあえず海外渡航のいつもの儀式、SIMカードを入手。 空路であれば、リスボン空港のVodafoneで買うのが一番手っ取り早いですね。
これは2016年9月にもらった料金表。17.46ユーロで3GBのデータ通信、500分の通話とSMS付き30日間有効です。空港はツーリストの集まる場所なので、それなりに混雑しています。私がSIMを買った時は1時間くらいかかりました。
日本で欧州用のプリペイドSIMも入手可能ですし、滞在期間の短い人はWifiでしのぐのもアリです。私は今までの旅行の経験から、モバイル通信は日本で手配しておくことにしています。長期滞在の場合、現地でリーズナブルなSIMを入手するまでのつなぎにもなります。
現金はユーロ。ポルトガルのATMはかなり便利。
ポルトガルのATMはどの銀行を使うかに関わらず、「Multibanco」というシステムに集約されていて、24時間営業、リスボンの街のあちこちに設置されています。これは日本より便利かも。日本発行のカードでも、キャッシング、引き出しができました。Master, Amex, Plus, Cirrusなどの主要なネットワークのカードが使用可能です。
やっぱり便利なガイドブック
ガイドブックはKindleで持っておくとかさばらなくて良い感じです。定番の地球の歩き方。
週末にクラブやフェスに行ったり、路面電車に乗って街を探検したり、エッグタルト食べながら散歩したり、カフェで仕事したり、そんなリスボン生活にちょっと憧れています。そんな機会が訪れるといいな。
まとめ:ポルトガル、リスボンでのノマドライフは楽しそう
- リスボンのノマドライフ難易度は中程度。長期滞在にはビザがネック。
- ポルトガルは1974年に民主化した。その後は経済的に苦戦を強いられている。
- ポルトガルと日本との関わりは16世紀にさかのぼる。現代は交流は薄い。
- 日本からポルトガルへの直行便はない。スペインから電車で入るのも面白い。
- リスボンの中核エリアは、日本の中堅政令都市程度の人口密度。ポルトガルの人口は東京都市圏より少ない。
- リスボンは日本より気候が温暖、治安も良く、物価は日本より多少安い。
- リスボンは民泊ブームで、宿泊場所はたくさんある。食事はシーフードが美味しく、日本人の口にも合う。
- 景気の良くないポルトガルでビジネスを始めるのは厳しそう。また、ポルトガル語よりスペイン語や英語の方が汎用性が高い。
- ポルトガルでは老舗のフェス「Boom」が開催されている。自由な雰囲気がポルトガルの一番の魅力かも。
- SIMカードはリスボン空港で入手できる(2016年時点)が、日本で入手しておいた方が楽。
- ガイドブックはあった方が楽しめる。Kindle版などで工夫して持ち運ぼう
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